【防食工事って何?】私たちの生活が守られている防食工事について
【防食工事って何?】
防食工事の”防食”は、高い性能を持つ強固な塗膜によってコンクリートを保護して
硫酸などの原因による劣化を抑えて腐食物質の浸透を阻止する工法のことを言います。
主にコンクリートの構造物は耐用年数が平均50年と非常に長く、
“コンクリート=メンテナンス”という概念が最近までありませんでした。
ですが、コンクリートの構造物の主剤はセメントなのでこの種の材料は一般的にアルカリ性を示し、
空気中の二酸化炭素や酸性雨によって酸類との反応で中性化し、
それにより表面が粉末化したりひび割れなどが発生するとともに素材の機械的強度が低下してしまいます。
機械的強度が低下してしまうことで吸水性が高くなり、
素材の劣化を早めるだけではなくコンクリート内部の鉄筋の腐食や吸着水の凍結膨張などによって
コンクリートの破壊が起きます。
こうしたことからコンクリートの構造物をできるだけ長く保つためには定期的なメンテナンスが必須なのです。
コンクリートに限らず建物や構造物が水や腐食物質によって劣化しないための工事でもあります。
ちなみに最近では調査研究によって硫化水素ガスの発生しやすい部位には腐食環境条件に対応した
コンクリートの防食方法を行うようになりました。
【防食工事で建物や構造物を最適に守っている】
私たちが普段目にしている・利用しているものも実は防食工事が行われています。
例えば地下防水、地下防水は常に水の浸食を受けているため小さなひび割れがあると劣化の原因になるため
定期的なメンテナンスを行っていたり、
上水場内面は飲料水になるため使用するライニング材は国から認可された製品を使用し、安全性を最優先しています。
また、屋上は常に雨風や日光、排気ガスなどにさらされているため
防水層の破断や排水溝のつまりに注意した防水を行っていたり、
駐車場には高耐久性を求めて水はけがいい且つ劣化しにくい施工が行われています。
浄水場と上下水道施設では安全性と耐久性についてはポリウレア吹付け工法で
スプレーガンよりもポリウレア樹脂を吹付けることで防食と防水機能をもった被覆層を瞬時に生成することができます。
無溶剤や無触媒を使用することで可塑剤を含まない環境にやさしい材料によって
飲料用ライニング剤としても安心且つ安全なのです。
建物や構造物を最適に守る際の防食工事のポイントやメリットは、
大幅な工期短縮ができる・様々な形状に対して均一な厚さの被覆層が形成できる
・天井や壁面に均一塗膜を形成できる・無溶剤や無触媒で可塑剤も含まない
環境にやさしい材料・飲料用ライニング剤としても安全且つ安心して使用できる・ひび割れ追従性に優れています。
【防食工事の特徴と対象施設は?】
防食工事の特徴は大きく分けて5つです。
1つ目はカーボン繊維混合による補強効果で曲げや引張りの強さが大きくなり、ひび割れに対する抵抗に優れています。
2つ目は腐食物質の遮断性に優れているためコンクリートの腐食を防止してくれます。
3つ目は耐酸性と耐アルカリ性に優れているため排水処理施設の腐食環境でも耐久性を発揮することができます。
4つ目はコンクリートとの接着安定性に優れています。
5つ目は硬膜施工が可能になるため施工時間の短縮に繋がります。
防食工事はただ腐食から守ってくれるだけではなく、こうした素晴らしい保護機能に優れた性能を発揮してくれます。
対象施設については沈砂池やポンプ井、汚泥濃縮槽やスクリーン室といった”下水道関連施設の中”や、
腐食環境となるようなコンクリート施設部位といった
“下水道類似施設・し尿処理施設・廃棄物・ごみ処理施設など”になります。
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